

茶室に入り客が揃うと、亭主があいさつをし、いよいよ茶席が始まります。
お菓子のいただき方、薄茶のいただき方、道具の拝見など、一般的な方法を説明しましたが、
一番いいのは、数多くの茶会に出掛け、雰囲気に慣れ、茶会を楽しむことです。
作法が完璧でも、楽しむ気持ちがなければ、一日をかけて出掛けたお茶会が疲れのみで終わってしまいます。
初心者は、初心者らしく、ふるまうのが好ましいのです。わからないことがあれば、近くの方に質問をしてみましょう。
きっと、優しく答えてくれるに違いありません。

煎茶の場合には、お菓子が先に運ばれてきても、お茶をいただくまでは口にしないのが作法ですが、抹茶の場合は
お茶の前にお菓子を全ていただいてしまいます。
主菓子と干菓子があり、主菓子は濃茶に、干菓子は薄茶といわれています。濃茶を省略した茶事の場合には薄茶でも主菓子を
出します。
お菓子は、正客が手に取ってから次客も取り回しを始め、口にするのも、まずは正客が口にしてからとなります。
◆銘々皿の扱い
銘々皿とは、一人分の菓子が乗せてある小さな皿です。運ばれてきたときに、一礼をして受け取ります。
お点前から「お菓子をどうぞ」のあいさつがありましたら、お点前に「お菓子をいただきます」の挨拶をします。
銘々皿を軽く持ち上げて一礼をします。
懐紙を取り出し、膝前に置きます。
箸や黒文字がある場合には、箸を使って菓子を皿から懐紙の上へ移動します。
箸がない場合は手で行います。
箸の先を懐紙で清め、箸を皿に戻します。
銘々皿の正面が亭主に向くように、右回しで向きを変えます。
場合によっては、銘々皿が拝見に回ることがあります。この場合には、懐紙や小茶巾を使って、銘々皿を清めます。
清める際に気をつけなければいけないのが、決して強くこすらないことです。軽く押すようにし、汚れが完全にとれなくてもよいのです。
箸や黒文字がある場合は、懐紙で箸先をくるみ、亭主や半東へ返します。
◆菓子器の扱い
大寄せの茶会など、人数の多い茶会では、5人分か7人分のお菓子を盛った菓子器が運ばれてくることがほとんどです。
菓子器が自分の前に運ばれてきたら、一礼をして受け取ります。
正客が取り回し始めたら、自分の前の方(まだお菓子が来ていない)に「お先に」、自分の次の方に「お先に」のあいさつをします。
菓子器を軽く持ち上げて一礼をします。
懐紙を取り出して、懐紙の上にお菓子を持ってくるのは、銘々皿と同じ動作になります。
箸や黒文字の先を懐紙で清め、菓子器に戻します。
菓子器を軽く持ち上げて、次の方へ渡します。置く位置は、自分と次の方との間の、畳のへり外です。
最後にお菓子を取り出した人が、菓子器を右回しで向きを変え、亭主に返すようにします。
置く位置は、下座の畳のへり外です。
◆盆の扱い
干菓子の場合は、盆に盛られていることがほとんどです。
盆の上から順に、干菓子を手で取って懐紙に置きます。
人数分ではなく、ひとつだけあるものは、飾りとして置かれているお菓子なので、取らないように
注意しましょう。
◆主菓子のいただき方
饅頭の場合は、楊枝・黒文字を使わずに、手で割って食べます。
そのほかのお菓子の場合は、持参した楊枝・黒文字を使い、食べやすい大きさに切っていただきます。
このとき、あまり小さく切ってしまうとお菓子がくずれやすくなるので、お菓子を2等分、または3等分に切る程度が
よいでしょう。
◆干菓子のいただき方
盆から手で取り、手でいただきます。
手が汚れた場合は、懐紙の隅でぬぐって清めます。


様々なお点前によって、お茶のいただき方は異なりますが、一般的ないただき方を紹介します。
◆薄茶
茶碗が運び出されて、自分の正面に置かれたら、一礼をします。
自分の上座よりの畳のへり内に右手で茶碗を取り込み、前の方に「お相伴頂戴します」のあいさつをします。
右手で、今度は自分の下座よりの畳のへり内に移動し、次の方に「お先に頂戴します」のあいさつをします。
右手で、自分の正面の畳へり内に移動し、「お点前頂戴します」のあいさつをします。
茶碗を右手でとり、左手にのせ、右手を添えて持ち上げ、軽く一礼をします。
茶碗の正面を避けるために、右回りに2回まわし、お茶をいただきます。
最後は「すっ」と残りを全て吸いきる気持ちでいただき、飲みきります。
飲み口を右手で清め、指先は懐紙で清めます。
茶碗の正面に戻すため、左回しに2回まわし、畳のへり外へ右手で置きます。
◆茶碗の拝見
茶碗を畳のへり外へ置いたら、一礼をします。
両手をついたままで、茶碗の全体を拝見します。
茶碗を軽く持ち上げ、高台やお印などを拝見します。
持ち上げるときは、自分の膝よりも高く上げないようにします。腕も脇をしめて固定するような形で。
茶碗を元の位置に戻し、一礼をします。
亭主に返すときは、右手で茶碗を持ち上げ、左手に置き、茶碗の正面が向こうを向くように
右回りに2回まわしておきます。
半東が取りにきたら、一礼をします。


大寄せの茶会で行われる、略式の拝見のしかたについて説明します。
◆掛物・花入・香合の拝見
床の間に、掛物・花入・香合が飾ってあります。
茶室に入り、床の前まで進んだら座り、膝前に扇子を置いて一礼をします。
できるだけ、床の中心に座るのが理想ですが、大寄せの場合では人数が多いので
相客と拝見する場合もあります。そのときには「ご一緒に」とあいさつをして拝見しましょう。
最初の一礼は、お軸の作者が目の前に居る気持ちで一礼をします。
まず掛物の本紙、表装の上下、中、一文字を拝見します。
花入れに膝を向けるために扇子を移動し、膝を動かします。
花入と花を拝見します。
香合がある場合には、香合へ扇子と膝を向けて拝見します。
拝見が終わったら、正面に向き直って、一礼をします。
◆釜・棚の拝見
道具畳では、風炉・炉の正面に座って、膝前に扇子を置きます。
釜の形や地紋、環付、蓋など、炉のときは炉縁も拝見します。
灰や炭もよく拝見します。
次に棚へ扇子と膝を向け、棚の飾りつけを拝見します。
道具畳では礼をしないことになっているため、拝見が終わったら
扇子を持って立ち、席に着きます。
◆茶器・茶杓の拝見
正客から順に、お道具が拝見に回ってきますので、次の客へ「お先に」のあいさつをします。
前の客からは、畳のへり内に渡されるため、右手で持って自分の正面のへり外へ置きます。
正面に持ってきたら一礼をし、全体を拝見します。
蓋を開ける際には、必ず左手を添えて、しっかりと開けましょう。
蓋の表裏を拝見し、茶器の右へ置きます。
茶器の中の、抹茶のすくい加減を拝見します。
きれいにすくってあるので、その山をくずさぬように静かに持ち上げましょう。
山がくずれそうなときには、茶器を持ち上げずに拝見してもよいのです。
蓋を閉める際は、左手を茶器に添え、蒔絵の上下がずれないように閉めます。
拝見が終わったら一礼し、次の客へ渡します。
自分と次の客との間、畳のへり内へ右手で置きます。
茶杓も、茶器と同様の動作になります。
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